底辺男性介護士カイトキュンのライフハックブログ

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理想と現実の狭間

こんにちは。

 

近頃、Twitter の介護の界隈でとあるものが話題となっている。

まずは、こちらの記事を読んでみて下さい。

https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/grundtvig-ramen

 

時は、令和2年。

とあるおじいさんがおった。

おじいさんはとある病気を患っていたのかどうかは知らないが、

とある病院に入院することになった。

期間は、半年間。

病院では、いわゆるペースト状の食事を食べていた。

ミキサー食とも言われたりもする。

ご飯やおかずをミキサーで粉砕して、

ペースト状にしたものである。

物を飲み込む力(嚥下力)が低下した高齢者に対して、

物がのどに詰まったり、むせたりするのを防ぐために用いる。

元気な僕らからすれば、

そんなんでお腹ふくれんやんっていうやつである。

でも、この方法にしないと

口から食べ物や飲み物を摂取することが出来ないレベルまで

低下しているということである。

状態が悪くなると、誤嚥性肺炎を起こしやすくなる。

それが、きっかけで命を落とすことも多い。

なので、とても気を付けないといけない。

(気を付けていても、誤嚥性肺炎になるときはなる)

 

話を戻そう。

そんな状態で退院したおじいさんが、

神奈川県藤沢市のとある小規模多機能型居宅介護支援事業所で

一時滞在しながら、リハビリを受けている。

小規模なんちゃらとは、病院からは退院したけど、

家に帰って暮らしてはいけない状態の人が入る施設の一つである。

状態的には、悪い状態ではないが完全に独り立ち出来るレベルじゃない。

完全な大人ではないけど、子供でもない18歳未満の高校生みたいな感じである。

(この例えは適切ではないと思うので、参考程度にしておいてください)

「ね?これでいいじゃないですか。この声さえ聞ければ、これでいいんだってわかるでしょう?」

意味は違うが、こんな感じである。

 

そうですね。

良くないですね。

 

この話題の良くないところはここから怒涛のラッシュが続きます。

10日前まで、ペースト食を食べていたおじいさんに

普通の食事を出したのだ。

こんな書き方をすると、

いきなり段階をすっ飛ばしていったかのように思うだろうが、

きちんと段階を踏んで移行したことは上記の記事に書いてある。

だから、それ自体は特に問題はないと思います。

早く移行し過ぎだ(もう少し様子を見てから段階的に移行するべき)

とは思います。

移行中のとある日、天ぷらそばが食べたいと言い出したが、

安全性などを考慮して、十分にふやかしたそばを短くカットして

食べてもらった。

本来はこのように、移行後も安全性を考慮して工夫を要したりする。

 

そうやっていた矢先のことである。

とある日の深夜12時半のこと。

午前0時半のことである。

”おら、カツ丼が食いたい"

と、おじいさんは言いだした。

昼ごはんで出たカツ丼をどうやら残したようである。

その具の部分を冷蔵庫にて保管していたそうだ。

夜勤中の職員はそれをレンジで温めて、

ごはんをよそって、盛り付けて提供した。

改めて言うが、午前0時半にである。

しかも、時間が経った食べ残したものをである。

そもそも、現場では食べ残したものを冷蔵庫などで保管する

ということはやっていない。

衛生上の問題があるためである。

いわゆる食中毒予防のためである。

これは、業界では常識である。

意識が低いと言わざるを得ない。

もちろん、深夜帯に食事を提供したことも問題である。

生活リズムなどの観点から見ても芳しくない行為である。

おじいさんは、カツ丼を美味しく召し上がった。

その後、午前3時半にもう一度起きてくる。

カツ丼をくれと再び訴える。

ないと答えると、天丼をくれという。

それもないがラーメンならと答え、

本人が了承したから提供した。

お気付きだろうか?

これは、同じ日である。

深夜帯にカツ丼を食べた数時間後にラーメンを食べたのだ。

僕らでも、それをやるとちょいちょいとなる話である。

こんな感じである。

 

いろいろとダメ出ししてきたが、

本人にとって、何が幸せか?

といった考え方自体は悪いことではない。

 

人権とプライバシーを尊重するという意味では、

大事な考え方である。

(運動会のリレーなどで、みんなで手を繋いで

 一緒にゴールしようなどということではない)

 

施設などでは、個人の生活ではなく集団の生活である。

その人だけにずっと付いていることは出来ません。

そういった集団生活をおくる上などでの制約などと

上手いことバランスをとっていかないといけません。

 

道路の流れを妨げないようにスピードを合わせることも大事だが、

制限速度は守らないといけないといった感じである。

 

主治医が「食べたいものを食べてもらっていい。」

とは確かに言った。

しかし、ものには限度というものがある。

何でもしてもいいとは言ってない。

食べたいだけ食べればいいとは言っていない。

深夜帯に食べてもいいとも言ってない。

自分の都合のいいように解釈するのは辞めた方がいい。

 

0か100か。

どちらか一方に偏る必要なんてない。

ほどほどのバランスの取れた暮らししてみません?

carewarker-diary.hatenablog.com